研究開発
東北大学様との共同研究の取り組みについて
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東北大学は、世界的な総合大学であり、科学技術の革新に向けて先進的な研究を展開していることで広く知られております。
近年では、2023年5月にG7の視察も行われた次世代放射光施設「ナノテラス」が注目されております。
この施設の立ち上げにおいては、当社グループの株式会社多摩川電子も貢献させて頂いており、半導体/MEMSの分野でも連携を推進させて頂いております。
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量子事業について。最近では、東北大学と開発したガスセルについて、東京大学様で量子センサとして応用展開して頂くことができ、さらなる躍進が期待されます。
当社では、東北大学工学研究科の小野崇人教授および東北大学マイクロシステム融合研究開発センターの古屋泰文学術研究員(元東北大学特任教授、弘前大学名誉教授)と共同研究を行っております。主な目的は、東北大学の最先端技術と当社グループの株式会社多摩川電子の超高速大容量次世代通信の高度なエレクトロニクス技術を融合させた革新的な製品の開発、株式会社多摩川エナジーとの連携による持続可能なエネルギーソリューションの開発です。この連携により、東北大学の研究力と産業界の実践力が結集し、先端技術の新たな展開とビジネスの創造を推進することを期待しております。
時代や社会のニーズが大きく変化する中、当社は新たな課題やニーズを見つけ、既存の領域から新しい領域に拡大することで、事業拡大を目指しております。今後も「通信」・「エネルギー」・「宇宙」分野でソリューションを提供することで、「脱炭素社会」の実現に貢献して参ります。
量子通信事業
近年、急速な量子コンピュータの開発により、従来から利用されていた公開暗号鍵 (Public key)を用いた通信用の暗号が容易に解読され、インターネットで秘匿通信ができないようになる恐れがあると言われております。そこで、量子コンピュータでは解読できない量子暗号鍵を利用した量子インターネット網の取り組みが急速に進められており、市場規模は現状のインターネット網に加わる形で大きな数千億~数兆円規模の市場になると予想されております(下図参照)。
本事業では、従来の光ファイバー通信網から、量子暗号通信用のファイバー網と空間通信網を形成するところで、利用される通信機器やそれらを用いたシステムを新規事業として展開することを推進しております。
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量子センシング事業
東北大学と開発いたしました小型原子時計用のガスセルの応用として、東京大学にて使用して頂き、量子センシング用のガスセルを中心として、新規事業展開を進めております。すでに学術的な成果はいくつかあり、2022年11月に開催されました第39回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムで発表があります。そこでは、宇宙の暗黒物質ダークマターの検出の研究に利用して頂いた成果内容になり、今後も宇宙や先進医療をテーマとした事業展開を推進するとしております。
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SDGs事業
当社の通信事業や再生可能エネルギー事業では、低消費かつ小型化が可能になる半導体融合デバイスを利用した環境センシングを取り入れ、新しい付加価値を生み出すことをめざしております。半導体に関して注目すべきは、電子回路の集積度が高くなるほど、低消費電力化が可能になることであります。そこで、脱炭素もしくはSDGs事業として、最先端半導体が広く普及することを想定した、デジタル田園都市国家構想への取り組みを推進しております。
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デジタル田園都市国家構想と半導体融合デバイスの応用先の概要図 様々なセンサを半導体技術で小型にでき、さらに低消費化も可能となるため、多様な領域での応用が期待される。
開発現場
近日中に公開予定